キリスト教用語聖書史上重要な聖書訳、特筆すべき聖書訳、現代社会で使用されている聖書訳などを掲載中です。当初「キリスト教用語」のページにて説明していましたが、項目数が増加、説明も限られたスペースでは限界があること。さらには時系列把握を容易ならしめるため、等々の理由により今回独立ページを設定し説明させていただくことと致しました。なお、目次には言葉の重複を避け、「○○聖書」の「聖書」ということばは原則として略しております。
ジュリア・イー・スミス・

パーカ

Julia E. Smith Parker Translation

この聖書は女性による初の完全訳(旧約と新約の双方を含めた訳)と考えられています。訳者はコネティカット州グラストンベリ出身でラテン語、ギリシャ語およびヘブル語をこなしました。父は弁護士になる前は会衆派の牧師をしていました。聖書を原語で読み、1847年から8年の歳月をかけ、独力で作業をすすめ、1855年に原語からの英語翻訳が完成しました。なお、翻訳作業は1855年に完了しましたが、出版はその21年後の1876年でした。(詳細略)

この訳は徹底した直訳で可能な限り、原語と同じ言葉(英語)に置き換えています。さらに、ヘブル語の不完了時制を未来で訳すという独特の方針で翻訳していますので、しばしば機械的で、意味が把握しがたいところがあります。

(管理者注:ヘブル語時制は、事が完了したか完了していないかが問題とされ、英語のように時間の推移の概念がありません。したがって、便宜上、一般的には完了時制は過去、不完了時制は現在または未来で訳されます)  

しかし、このように直訳に過ぎる訳でありながらも、個々の聖句の意味を吟味するために参照するにあたっては貴重なものです。その他、この訳の特徴として、旧約聖書全体を通じ、神の御名を「エホバ」と訳しています。

(管理者注:本来、「エホバ」とする読みは誤りで、神の御名をあらわす神聖四文字(YHWH)について、ユダヤ人は神の名を口にするのは畏れありとしてこの代わりに アドナイ(Adonai) または エロヒーム(Elohim)を代用していました。 文法的にはケティーブ(書かれているもの)とケレ(読まれるべきもの)と言われるものです。)

この翻訳は大部分があまりにも徹底した直訳で、意味上からも、文体の滑らかさからも問題がありましたが、英改訂訳が(1881-1894)に出版されるまでは、原語からの同時代の唯一の英語訳として貴重な聖書であり続けました。

参照文献:
"Julia E. Smith Parker Translation" Wikipedia last modified on 14 February 2017

 
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