新約聖書のテキストについて(テキスト・タイプ)
               (Wikipedia新約聖書:記事検索)

『新約聖書』のギリシア語テキストは多くの写字生によって書き写され、後世に伝わった。写本は古代では巻物(スクロール)の形をとっていたが、やがてコデックス(冊子本)の形式が主流となった。『新約聖書』のギリシア語テキストと一言で言っても多くの異同を含むものが多数あり、それらを研究・分類するといくつかのタイプに分けることができる。このようなタイプを「型」(管理者注:英語ではtext-type)といい、おおむね下のようなカテゴリーに分けられる。


アレクサンドリア型

現代ではもっとも原文に忠実であると考えられているのがこのアレクサンドリア型である。アレクサンドリア型ではほとんどの文章が簡潔で飾り気がない。特に有名なものとしてヴァティカン写本、シナイ写本、ボードマー・パピルスなどがある。


西方型

西方型は文章がより装飾的で長くなっていることに特徴がある。たとえば西方型の『使徒言行録』は他のタイプのものと比べると一割近く長い。ベザ写本、クラロモンタヌス写本、ワシントン写本、古ラテン語聖書などがそれにあたり、マルキオン、タティアノス、エイレナイオス、テルトゥリアヌス、キュプリアノスらの新約聖書の引用もこの型である。


カイサリア型

カイサリア型はアレクサンドリア型と西方型の混合であるとみられる。チェスター・ビーティー・パピルスやエウセビオス、エルサレムのキュリロスの引用に見られる。


ビザンティン型
(管理者注:アレクサンドリア型等よりも新しい型ですが、現存する後期写本のうち、非常に多くにこの型が出現するので"Majority Text"と呼ばれることがあります)

中世以降に、アンシアル書体で小文字で書かれたもので、護教的な後代の付加が多い。混合型ともよばれ、アレクサンドリア写本がこれにあたる。エラスムスが『新約聖書』のギリシア語批判版テキスト
(管理者注:テキストウス・レセプトゥス--Text Receptus)を作成する際にこれを用いたため、そこから英訳した欽定訳聖書にも大きな影響を与えることになった。


現代の『新約聖書』の翻訳は、徹底した比較・研究によって再現されたより原文に近いテキストを用いて行われる。もっとも信頼性の高いテキストとされているギリシア語批判版聖書は、校訂者の名前をとって「ネストレ・アーラント」と呼ばれている。
 
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