キリスト教用語聖書史上重要な聖書訳、特筆すべき聖書訳、現代社会で使用されている聖書訳などを掲載中です。当初「キリスト教用語」のページにて説明していましたが、項目数が増加、説明も限られたスペースでは限界があること。さらには時系列把握を容易ならしめるため、等々の理由により今回独立ページを設定し説明させていただくことと致しました。なお、目次には言葉の重複を避け、「○○聖書」の「聖書」ということばは原則として略しております。
詳訳聖書
英語(新旧約全巻)
日本語(新約)
(
AMP-the Amplified Bible
聖書翻訳において原語から他の言語に翻訳する場合に問題となるのは、両者の意義は必ずしも等価ではなく、意味にずれがあり、正確に翻訳することは不可能だということです。そこで、その解決策のひとつとして、ある一つの翻訳に対して、複数の意義を付け加え、あるいは補完することにより、原語(ギリシャ語、ヘブル語、アラム語等)の本来の意義を立体的に吹き彫りにし、聖書理解の広さ、深さを伝えようとする手法があります。この試みの一例として、ロックマン財団発行、ゾンダ−バン社出版の"The Amplified Bible"があります。新旧全巻は1965年に公けにされました。これは主として1901年発行のアメリカ標準訳(the American Standard Version)の改訳で、原語にさまざまな訳や注釈が付加されています。管理者の手許にある版はいわゆるLarge Printと言って活字が大きく見やすいもので、参考資料や用語リストを含めて1954ページと美しい14枚の地図とからなる大冊ですが、注解やクロスリファランス(相互参照)など豊富で愛用しています。その意味で、聖書訳というよりも注解書に近い感があります。なお、底本は新約聖書はウェストコットとホートのギリシャ語新約テキストで旧約はマソラ本文です。

新旧全巻の初版発行までには以下のステップで翻訳が行われました。

1954年 ヨハネによる福音書
1958年 新約聖書
1962年 旧約聖書第二巻(ヨブ記〜マラキ書)
1964年 旧約聖書第一巻(創世記〜エステル記)
1965年 新旧全巻
1987年 改訂版

上記のうち、新約聖書についての日本語訳が1962年8月、詳訳聖書刊行会を編者として、いのちのことば社から「詳訳聖書」として定価600円で発行されましたが、現在は残念ながら絶版となっています。ただし、底本の"the Amplified Bible"は下記のURLにアクセスすれば読むことができますのでご関心の向きはアクセスしてみてください。"Read The Bible Online"

日本語訳「詳訳聖書」の奥書には以下のような記述があります。

「この聖書は、英語を使う人々の間で非常に歓迎されている「アンプリファイド・ニュー・テスタメントの全訳です。すでに発行部数80万を越え、内容のすばらしさを如実にものがたっています。 延べ1万2千時間を費やしで厳密な検討を加え、細心の注意をはらって完成された本書は数多くある現代語訳の中でもまさに画期的な労作と言えましょう。神がご自身の啓示を世に伝えるために選ばれた古代ギリシャ語の特徴をよくつかみ、普通の訳では表現できない原語の深い意味を独特の訳語法をもって正確に表現し、注解したものです、その日本語への訳業にあたっては、わが国の新進の福音的聖書学者、しかもギリシャ語研究にすぐれた人々16人が選ばれ原典との忠実な照合がなされました。

この聖書の更に大きな意義は、聖書のそうした隠れた富を学者、研究者の書斎からギリシャ語の読めない一般の人々にも解放したことでありましょう。原典の深い味わいを少しも損うことなく、しかもだれにもわかるやさしい現代の言葉で表現した本書は、個人の黙想のときに、また聖書研究の折にも、十分活用していただけるものと確信しております。」


なお、この聖書訳は原語の意味が立体的に浮彫して理解できるよう、聖句ごとに代表的な26の英語訳を対比(parallel)表示するザ・ワード(THE WORD-The Bible from 26 Translations)にも選ばれている訳の一つとなっています。

(参照文献:Wikipedia "Amplified Bible" last modified on 10 February 2011 at 08:41および「詳訳聖書−新約−いのちのことば社」昭和37年11月30日版)
  
 
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