シナイ写本(Codex Sinaiticus)

4世紀中頃に書かれた現存する最古の写本の一つです。羊皮紙によるコーデックス(冊子)の形式を採っています。1844年にシナイ山麓にある聖カタリナ修道院でドイツの神学者・聖書研究家のコンスタンティン・フォン・ティッシェンドルフ (Konstantin von Tischendorf) によって発見されました。なお、同修道院では1975年に新たなページが多数発見され、現在、エジプト政府がこれを保管しています。

内容ですが、七十人訳聖書の一部のほか写本の内で、唯一初期の新約聖書のすべてを含んでいる重要な写本です。

 この写本は不思議な経歴をもっています。すなわち、上記ティッシェンドルフが研究のため、この修道院を訪れ、数日間にわたり、そこにある三つの図書館を調査しましたが、成果はありませんでした。 しかし、帰途寸前、偶然にごみ焼却かごの中に、この写本を発見したものです。 その後、彼は1853年、1869年と訪問を重ね、その写本をエジプトのカイロに持って行って写し、ロシア皇帝(アレクサンダー2世(Alexander II)に献上しましたが、ロシア革命後、1930年代に英国政府がその大半を当時のソ連から買い取りました。シナイ写本は単一の筆耕者によるものではなく、最初の写本に少なくとも2人が後に手を加えたことがX線検査やその後の研究によって判明しており、大英図書館は「聖書の文言が世代から世代へどのように受け継がれたかを探る貴重な手掛かり」であるとしています。

なお、この写本は200976日に、シナイ写本(Codex Sinaiticus)」としてはじめてインターネット上に公開されました。

写本を分散して所蔵する英、独、エジプト、ロシア4か国の機関による共同事業で、大英図書館が中心となり4年がかりで、現存する約800ページ分のデジタル写真が1冊にまとめられました。このサイトには写本のデジタル画像の他、その重要性、その意義、書かれた時期、テキストタイプ、作成の経緯その他重要な説明が網羅されていますので、ご興味のある方は是非訪問してみてください。


(参照文献)

○Wikipedia「シナイ写本」 最終更新 2016530 ()

○「現存する最古の聖書写本、ネットで公開」AFP BB NEWS

Codex Sinaiticus (写本の公式サイト)               
                             以上

 
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