キリスト教用語聖書史上重要な聖書訳、特筆すべき聖書訳、現代社会で使用されている聖書訳などを掲載中です。当初「キリスト教用語」のページにて説明していましたが、項目数が増加、説明も限られたスペースでは限界があること。さらには時系列把握を容易ならしめるため、等々の理由により今回独立ページを設定し説明させていただくことと致しました。なお、目次には言葉の重複を避け、「○○聖書」の「聖書」ということばは原則として略しております。
大聖書
(クランマー聖書、クロムウェル聖書)
(The Great Bible)


  
大聖書。(クランマー聖書、クロムウェル聖書)。イギリス国教会の礼拝用聖書。ティンダル訳を元に、一部の訳語を置き換えて、国教会で「公式に」使用できるようにしたもの。

英国国教会の礼拝で広く朗読されることを目的として、国王ヘンリー8世により認められた最初の欽定訳聖書です。1539年、2500部からなる一連の初版の印刷がパリではじめられましたが、フランス当局により異端であるとして没収され、1539年の4月にロンドンで完成しました。

この聖書訳はヘンリー8世の大政官であったトーマス・クロムウェル(Thomas Cromwell)の任命を受け、カヴァデール(Miles Coverdale 1487/8 - 1568)によって編纂されました。クロムウェルは聖職者に英国で一番大きな聖書を一冊ずつ教会内の利用しやすい場所に設置し、教会員が都合よく利用できるようにすることを命じました。この聖書はサイズが大きなため大聖書と呼ばれましたが、そのほかのいくつかの名前で呼ばれることもあります。たとえばクロムウェル聖書、印刷業者の名前を冠したフィットチャーチ(Whitchurch)聖書、教会内で鎖につながれていたので鎖聖書、そのほか第二版のみにあるトーマス・クランマー(イングランド宗教改革の指導者で最初のカンタベリー大主教)の前文があるため、クランマー聖書と呼ばれたりもします。大聖書はマシュー聖書に基づいています。したがって、一部の訳語を変更したのみで大部分はウィルアム・ティンダル訳(William Tyndale)の新約聖書と旧約の一部を含んでいることになります。旧約聖書の残りの部分はマイルズ・カヴァデール(Myles Coverdale)がギリシャ語とヘブル語原点からではなく、ラテンウルガータ聖書とドイツ語訳を底本として翻訳しています。それでも大聖書中の新約聖書はウルガータにのみ見られる多くの語句が含まれているのでこの部分はティンダルのものと異なっています。これらを含むことにより、ウルガータが唯一の正当な聖書であると考える保守的な英国の聖職者に好ましいものと映るようにとの意図があるように思えます。英国国教会の祈祷書にある詩編はジェームズ王欽定訳(KJV--King James Version またはAuthorized Version)ではなく大聖書から引用されています。1568年に大聖書は、主教聖書(Bishops' Bible)が英国国教会の公認聖書とされたためにこれに取って替わられることとなりました。
(参照文献:Wikipedia英語版last modified on 28 July 2009 at 10:18 一部加除修正)

  
 
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