キリスト教用語聖書史上重要な聖書訳、特筆すべき聖書訳、現代社会で使用されている聖書訳などを掲載中です。当初「キリスト教用語」のページにて説明していましたが、項目数が増加、説明も限られたスペースでは限界があること。さらには時系列把握を容易ならしめるため、等々の理由により今回独立ページを設定し説明させていただくことと致しました。なお、目次には言葉の重複を避け、「○○聖書」の「聖書」ということばは原則として略しております。
ウルガタ聖書ノックス訳
Knox's Translation of the Vulgate
(The Holy Bible--A translation From the Latin Vulgate in the Light of the Hebrew and Greek Originals)

この聖書は、英国の神学者で推理小説家でもあったランルド・ノックス(1888-1957)による3巻からなるラテン語ウルガタ聖書の翻訳ですが聖書の原語であるへブル語とギリシャ語を斟酌(しんしゃく)しています。一般的にはノックス版として知られています。

1936年ランルド・ノックスはイングランドとウエールズのカトリック聖職権威筋からへブル語とギリシャ語底本を斟酌(しんしゃく)した現代語によるウルガタ聖書の新たな訳の依頼を受けました。1945年の新約聖書が刊行されたとき、バーナード・グリィフィン ウエストミンスター大司教が序文にも記している通り、それはドゥエ・ランス聖書(the Douay-Rheims Bible--英語読みではドゥエ・リームズ聖書)にとって代わるものではなく、ドゥエ・ランス聖書と併用されるのが狙いでした。 しかし、1950年に旧約聖書のノックス版が世に出された時点で、教会の権威筋が主としてへブル語とギリシャ語底本に基づく聖書の使用を慫慂(しょうよう)した結果、ウルガタ聖書に基づくこの訳の人気に陰りが出て行きました。 ただし、ノックス聖書は1965年から1970年代の初頭まで、他の公認聖書であるドゥエ・ランス聖書(シャロナー改訂版)、改定標準訳カトリック版やエルサレム聖書などと共にミサ用典礼聖書の公認自国語版として承認されていました。 

翻訳スタイルは慣用英語(idiomatic English)でドゥエ・ランス聖書よりは解釈がかなり弾力的なものとなっています。 なお第二正典に関する訳についてはギリシャ語七十人訳に近いものとなっています。 ラテン語が疑わしい場合は、他の言語に基づいて訳されているものの、ラテン語訳は脚注に付け加えられています。

新約聖書についてはオンライン版(Knox Bible ('you' version)--英語、スペイン語、イタリア語、フランス語、ポルトガル語)が下記に掲載されています。
http://www.cormacburke.or.ke/book/knox_bible

なお、この聖書訳は原語の意味が立体的に浮彫して理解できるよう、聖句ごとに代表的な26の英語訳を対比(parallel)表示するザ・ワード(THE WORD-The Bible from 26 Translations)にも選ばれている訳の一つです。

(参考文献:Wikipedia英語版last modified on 28 July 2009 at 10:26
 
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