キリスト教用語聖書史上重要な聖書訳、特筆すべき聖書訳、現代社会で使用されている聖書訳などを掲載中です。当初「キリスト教用語」のページにて説明していましたが、項目数が増加、説明も限られたスペースでは限界があること。さらには時系列把握を容易ならしめるため、等々の理由により今回独立ページを設定し説明させていただくことと致しました。なお、目次には言葉の重複を避け、「○○聖書」の「聖書」ということばは原則として略しております。
リビング・バイブル
(TLB--The Living Bible
リビングバイブル(以下TLBと略)はアメリカ標準訳(ASV - American Standard Version)の重訳で徹底した意訳です。誕生の背景は次のようなことでした。シカゴのムーディプレス(Moody Press)に勤務していたバプティストの信徒で、この聖書の翻訳者(重訳者)となったケネス・N・テイラー(Kenneth N Taylor - 1917-2005)が欽定訳(KJV - King James Version)や改定標準訳(RSV - Revised Standard Version)を用いて家庭内デボーションをしているとき、言葉がむつかしく子どもたちに内容を分からせようとしてかなりの困難を覚えていたことが発端です。そこで解決のため、思いきって意訳(paraphrase, thought by thought or dynamic equivalence)を用いて、説明し、そのあと、子どもたちに質問したところ全問正解という驚くべき結果となりました。これが発端となり、1971年この聖書が刊行されました。

テイラーはこの聖書が聖書知識の源泉として、あるいは高度な学問的研究に供するためのものではなく、神学的、あるいは言語的背景をもたない一般的な読者に容易に理解されることばにより、聖書の基礎的な真理を与えることを目的とするものである、としています。

この聖書は多くの福音団体や若年層を対象とするプロテスタント団体に好意的に受け入れられました。1962年、ビリーグラハムは新約聖書の使徒書簡を含む初版部分である1通のリビングレターズ(the Living Letters)を受取り、感銘を受け、クルセードに使用するため、リビングレターズを5万通発注、後日、45万通から60万通追加注文しました。1970年代初頭、聖書知識の乏しい人たちにとって、現代語により理解しやすいため、TLBはベストセラーとなり、1971年刊行後の1年間でアメリカで最も人気のある聖書となりました。1973年テイラーはおよそ8百万ドルの印税を受け取り、1974年には2千9百万ドルにふくれあがり、1997年には4千万部が販売されました。TLBのカトリック版も作成され、今なお入手可能です。 しかし、注目すべきはテイラーは著作権をティンダルハウス財団(Tyndale House Foundation)に譲渡し、私の所有とはしませんでした。

なお、この聖書訳は原語の意味が立体的に浮彫して理解できるよう、聖句ごとに代表的な26の英語訳を対比(parallel)表示するザ・ワード(THE WORD-The Bible from 26 Translations)にも選ばれている訳の一つです。

(参照文献:Michael Marlowe, Bible Research
およびWikipedia英語版last modified on 28 July 2009 at 10:28
 
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