キリスト教用語聖書史上重要な聖書訳、特筆すべき聖書訳、現代社会で使用されている聖書訳などを掲載中です。当初「キリスト教用語」のページにて説明していましたが、項目数が増加、説明も限られたスペースでは限界があること。さらには時系列把握を容易ならしめるため、等々の理由により今回独立ページを設定し説明させていただくことと致しました。なお、目次には言葉の重複を避け、「○○聖書」の「聖書」ということばは原則として略しております。
新アメリカ聖書
(NAB - the New American Bible)
1970年に米国カトリック司教会議の協力により、カトリック聖書学者により刊行されたカトリック訳。これは1963年、第二バチカン公会議(Vatican II)の方針にもとづき礼典で使用されることを目的として翻訳されたものです。カトリックで聖書といえばウルガータ・ラテン語聖書ということでしたが、はじめてギリシャ語とヘブル語原典からの翻訳となり、早くから原典訳を手がけてきたプロテスタントとの共通接点ができ、結果、エキュメニカル(超教派)な共同訳の作業にもカトリックから参加者を送る流れができたことで、記念すべき訳と言えます。

改訂は3回行われましたが、1991年の3回目の改訂ではいわゆるinclusive language(直訳すれば包括語)、すなわち、神と人間の縦の関係では神とキリストを一括表現したり、人間同志の水平の関係においては男女双方をあらわすmenという一般語を用いず、human beingsを用いるなど包括的表現があり、これをめぐって論争が起こり、教皇庁と司教の委員会により、礼典での使用のため新約聖書や詩編に関し、修正が加えられたりもしました。

 1991年版のNABは多くのリベラルなカトリック教徒には受け入れられましたが、保守的カトリック教徒は多くの理由をつけて受け入れませんでした。
しかし、これら種々論議があるにもかかわらず、NABはアメリカのカトリック教徒により、もっとも多く使用されている聖書訳のひとつとなっています。 なお、翻訳の方針はformal equivalence(原典に近い直訳)で、RSV、NRSVやREBと同様の方針をとっており、NABはそれらと並んで現代英語翻訳聖書を代表する訳であると言われています。

なお、この聖書訳は原語の意味が立体的に浮彫して理解できるよう、聖句ごとに代表的な26の英語訳を対比(parallel)表示するザ・ワード(THE WORD-The Bible from 26 Translations)にも選ばれている訳の一つです。

(参考文献: Wikipedia英語版last modified on 28 July 2009 at 10:28 一部加除訂正)

第二バチカン公会議
 (Vatican II The Second Ecumenical Council of the Vatican)
 
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