キリスト教用語聖書史上重要な聖書訳、特筆すべき聖書訳、現代社会で使用されている聖書訳などを掲載中です。当初「キリスト教用語」のページにて説明していましたが、項目数が増加、説明も限られたスペースでは限界があること。さらには時系列把握を容易ならしめるため、等々の理由により今回独立ページを設定し説明させていただくことと致しました。なお、目次には言葉の重複を避け、「○○聖書」の「聖書」ということばは原則として略しております。
新改訂標準訳(米国)
(NRSV--the New Revised Standard Version)


この聖書は1952年に刊行された改定標準訳(RSV--the Revised Standard Version以下RSVと略)の完全な改訳版で超教派団体である教会協議会(NCC)のキリスト教教育部門(現在は聖書翻訳ならびに活用部)によるカトリックも参加した共同訳ですが、ほかに旧約聖書に関してはユダヤ教学者も参加しています。 1989年に出版され、次の3種類があります。

1.標準版(プロテスタント基準)

2.第二正典(外典、アポクリファ)いわゆる続編つき共通聖書(NRSV Common Bible) とよばれることもある。

3. カトリック版(カトリックのウルガータ聖書の順序になっている)

なお、ほかに英国式版があり、英国綴りと文法に沿うよう微調整されています。

改定の背景としては、RSVの旧約聖書訳が死海写本が学者に広く行き渡る前に完成したため、NRSVではこの写本や他の写本の発見も考慮し、さらにはRSV出版以降の聖書学の発達も反映させたいと願ったことです。ほかにRSVでは神にかかる第二人称の親称形であるthee, thouという古文体を踏襲しましたがNRSVではこれを廃し、現代英語に近づけています。 なお、これは1952年の改訂標準訳(米国)初版以上に保守的クリスチャンからの批判や憤慨を招くこととなるのですが、男性優位の性別用語の転換を図り、たとえばかならずしも男性だけでない場合、従来の"brothers"と訳されていたものを"brothers and sisters"と記したり、「人はパンのみで生きるものではない。」の「人」を長く使用されてきたmanを使用せず男女両性用語であるoneを使用するなどしています。 なおそのような修正がなされた場合はより正確な直訳形が脚注表記されています。 

例示:マタイによる福音書4章4節

(新共同訳)
イエスはお答えになった。「『人はパンだけで生きるものではない。神の口から出る一つ一つの言葉で生きる』と書いてある。」

(NRSV)
But he answered, "It is written, 'One does not live by bread alone, but by every word that comes from the mouth of God.'"

(RSV)
But he answered, "It is written, `Man shall not live by bread alone, but by every word that proceeds from the mouth of God.'"



NRSVは伝統的なプロテスタント教会の多くが正式にNRSVを受け入れるか、あるいは会員に推薦しています。 たとえばアメリカ聖公会が正典訳リストに加え、礼拝での使用を認め、長老教会ではウエブサイトにおける推薦や米国福音ルーテル教会、米国改革派教会やカナダ合同教会などでも広く使用されています。 カトリック司祭米国会議は礼典使用ではカトリック訳であるNAB(New American Bible)のみを認めていますが、カトリック教会の公教要理英語版にはNRSVが引用されています。

オンライン版
http://bible.oremus.org/

(参考文献:Wikipedia英語版last modified on 14 August 2009 at 03:55
 一部加除訂正)
  
 
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