キリスト教用語聖書史上重要な聖書訳、特筆すべき聖書訳、現代社会で使用されている聖書訳などを掲載中です。当初「キリスト教用語」のページにて説明していましたが、項目数が増加、説明も限られたスペースでは限界があること。さらには時系列把握を容易ならしめるため、等々の理由により今回独立ページを設定し説明させていただくことと致しました。なお、目次には言葉の重複を避け、「○○聖書」の「聖書」ということばは原則として略しております。
改定標準訳(米国)
(RSV--the Revised Standard Version)
このアメリカ訳のベースは当時神学校で広く使用され、標準聖書(Standard Bible)と呼ばれていたアメリカ標準訳聖書(ASV--the American Standard Version)であるため、改定標準訳(RSV-- the Revised Standard Version)と命名されました。 ASVがKJV(ジェイムズ王欽定訳)とその改定訳(RV--Revised Version)の流れを汲んでいるため、RSVは必然的にその伝統に基づいていると言えます。 

ASVは長く用いられましたが、KJVと同様、古い英語であったため、第二次世界大戦後の聖書訳としては読みやすく、言葉としても正確な訳が求められるようになり改定の必要が生じました。 訳の方針として、英語圏の教会のために十分な訳であり、のみならず何世紀にもわたり知られ使われてきた最上の内容を尊重するとともに、かの偉大なティンダル訳からKJV訳への伝統を受け継ぐに値する、簡潔にして時の試練に耐え得る訳を完成することでした。

底本は新約聖書については学問的には最高水準の定本であるネストレ・アーラントのギリシャ語新約聖書テキスト、旧約聖書については伝統的なヘブル語マソラ本文を使用しましたが、ヘブル語については多くの箇所で訂正を加え、イザヤ書ではときには当時発見された死海写本にしたがっています。

この改定標準訳が出版されととき、ほかならぬ第1冊目は時の大統領であるハリー・S・トルーマンに献呈されました。

なお、この聖書訳は原語の意味が立体的に浮彫して理解できるよう、聖句ごとに代表的な26の英語訳を対比(parallel)表示するザ・ワード(THE WORD-The Bible from 26 Translations)にも選ばれている訳の一つとなっています。

参考までにKJV、RVおよびASVとの主要な違いは以下の3点です。

1.神を示すヤハウェの四子音文字(YHWH)の訳はKJVとRVの慣行に従い、"LORD"(主)または"GOD"(神)と訳していますがASVでは"Jehovah"(エホバ)と訳しています。

2.第二人称代名詞および動詞形に用いる以下の語はKJV、RVおよびASVでは神と人間の双方に使用していましたが、RSVでは神のみに変更しました:
"thou"、 "thee" 、"thy"、 "art、 hast、 hadst、 didst" など。

3.新約聖書の底本について、違いは些細ですが、RSVはネストレのギリシャ語テキストの最新版をRVおよびASVでは初期の版を使用、KJVでは公認本文である"Textus Receptus"(テキストゥス・レセプトゥス)を使用しています。

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この聖書は初版発行後以下のように版を重ねてきています。

新約聖書初版:New Testament, First Edition (1946)
旧約聖書を含むプロテスタント用完全版 (1952)
アポクリファ(外典を含む)版--Apocrypha (1957)
マイナーチェンジ修正版--Modified Edition (only a few changes) (1962)
カトリック版新約聖書1965年、旧約聖書を含むカトリック全訳版1966年
         --Catholic Edition (NT 1965, Full RSV-CE 1966)
新約聖書第二版--New Testament, Second Edition (1971)
コモンバイブル--Common Bible (1973)
アポクリファ(外典を含む)拡張版--Apocrypha, Expanded Edition (1977)
カトリック訳第二版--Second Catholic Edition (2006)

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現在のRSVについて:

1.RSVは多くのクリスチャンにとって人気の高い聖書訳ですが、現在では古書店やこれを使用する教会以外では見つけにくくなっています。 その理由としては米国キリスト教会協議会(NCC)がNRSV--the New Revised Standard Version(新改訂標準訳)の印刷を薦めているからです。

2.2002年にはRSV発行50周年を記念してOxford大学出版局が2種類の記念版を発行しています。そのひとつは新約聖書(1971年第二版)と旧約聖書だけから構成されるもの。 他のひとつは1977年のアポクリファ版のようにアポクリファ(プロテスタントが外典と呼ぶ書)を含む拡張版です。後者はRSVカトリック版にある本文や脚注(たとえばほんの少しを挙げただけでも、マタイによる福音書1:19、19:9、マルコによる福音書16:9-20、ルカによる福音書8:43、24:5, 12, 36,40、ヨハネによる福音書7:53-8:11、コリントの信徒への手紙一9:5、へブル人への手紙13:13など)を含むほか、アポクリファ/第二正典を旧約聖書と新約聖書の間に配置するなど、明らかにRSVコモンバイブル1977年拡張版を復活させています。

3.2年前にはOxfordのライバルであるCambridge大学出版局がRSVの次の2種類の版を再刷し、それは現在でも購入可能です。 

 ○ブレービヤ活字中欄引照つき聖書(Brevier center-column reference Bible)
 ○詩編つき新約聖書

4.Oxfordは次の2種類のRSVオックスフォード注釈つき聖書(RSV Oxford Annotated Bible)を発行中です。

 ○旧・新約聖書1973年版(新約聖書本文は1971年第二版)
 ○旧・新約聖書1977年版(1977年アポクリファ拡張版つき)

5.認可出版社、イグナチウス・プレスおよびオックスフォードは1966年RSVカトリック版の出版を継続中で、イグナチウスは全聖書カトリック第二版と詩編つき新約聖書を発売中です。

(出典:Wikipedia英語版last modified on 14 August 2009 at 03:57 を一部加除訂正)
  
 
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