教会FAQ
マルコによる福音書の中でイエス様が重い皮膚病を患っていた人を癒されたときに「だれにも、何も話さないように気をつけなさい。」と言われましたがなぜですか。

これはマルコによる福音1章の40節〜45節の中でのお話です。かかる場合、世俗的にはこのような絶対的な癒しの権能があることが広く伝えられ、奇蹟や不思議な事柄に心を捕らわれてしまう罪ある人間が、まさにイエス様を単なる奇蹟を行う預言者との理解でとどまってしまい、そこに焦点が当てられてしまうことを恐れられたということです。イエス様にとっては単なる奇跡を行う人、あるいは病の癒し人として喧伝されることは好まれなかったのです。そもそもその癒しは神様から授かったものにすぎないというイエス様の謙遜。(Matthew Henry注解)  すなわち、父なる神のしもべとしての姿をとり続けたかった、「栄光は父なる神に」、との生き様ゆえ、ということです。 ここに、神であり、人であるイエス様が、地上において、人間として歩まれた徹底さと、その模範の姿が現されているといえます。ゆえに、後日、使徒ペテロとヨハネは、主の業を行っても、自分たちに栄光が与えられるのを拒み、イエスに栄光があることを訴えるという、栄光は自分にではなく、主イエスにという姿勢を貫いたのです(使徒3:12-13)。

さらに、イエス様の最も重要な使命は、癒しの次元ではなく、神の福音をあまねく述べ伝えることにありました。名声を聞いて、ますます多くの人々が詰めかけようとしていた状況下、癒しの業に忙殺されてしまうことは本意ではありませんでした。同45節には「しかし、彼はそこを立ち去ると、大いにこの出来事を人々に告げ、言い広め始めた。それで、イエスはもはや公然と町に入ることができず、町の外の人のいない所におられた。それでも、人々は四方からイエスのところに集まって来た。」とあります。残された生涯、すべて福音を述べ伝えようとされたイエス様のみ心に感謝せずにはおられません。
                                                            
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