教会FAQ
マルコによる福音書1章37節で、イエスの癒しを求めてシモンとその仲間が「 みんなが捜しています」と言ったにもかかわらず、イエスは癒しを求める病人達のところには戻らず「近くのほかの町や村へ行こう。」と答えられたのはなぜですか。

イエスの返事は一見、とても冷たく素っ気なく思われますが、実はイエスが父なる神から命を受けて、人として歩む中で与えられた本来の目的は、病人を癒すことのみに止まらなかったことがその理由なのです。

確かに神から与えられた奇跡の癒しの力に神の本質を見るのですが、神の み業、み言葉を述べ伝えること。 その働きの中で悪霊を追い出したり、病いを癒したりということがあったのです。これらを通して人々が神の力と愛の業を心より信じ、その本質を喜びとともに自立して受け取る力、そこから自ずと癒しと救いの力を授かることを出来、新しい人生へと出発することにあったのです。そのため、イエスにとって、限られた時間の中で、可能な限り多くの人々に神の働きを述べ伝え、神の業に参与すること。すなわち、まことの宣教を行い、出来る限り多くの人々が喜びをもって神のみ心を知り、救いのみ言葉を受け入れことができるようにすることでした。まさに、このことにこそ本来の目的があったのです。なお、このことは 38節の後段に 「そこでも、わたしは宣教する。そのためにわたしは出て来たのである。」と記されていることからも、うかがい知ることができます。

私たちも与えられた状況と時間と生活空間の中で、何が大切で、何をなし、何を伝えるべきかを知るために、絶えず祈り求め続け、聖霊に満たされて、喜びの内にこれらを実行して行くことが大切であると思われます。


マルコによる福音書1章29〜39節(新共同訳聖書)

◆多くの病人をいやす
1:29 すぐに、一行は会堂を出て、シモンとアンデレの家に行った。ヤコブとヨハネも一緒であった。
1:30 シモンのしゅうとめが熱を出して寝ていたので、人々は早速、彼女のことをイエスに話した。
1:31 イエスがそばに行き、手を取って起こされると、熱は去り、彼女は一同をもてなした。
1:32 夕方になって日が沈むと、人々は、病人や悪霊に取りつかれた者を皆、イエスのもとに連れて来た。
1:33 町中の人が、戸口に集まった。
1:34 イエスは、いろいろな病気にかかっている大勢の人たちをいやし、また、多くの悪霊を追い出して、悪霊にものを言うことをお許しにならなかった。悪霊はイエスを知っていたからである。
◆巡回して宣教する
1:35 朝早くまだ暗いうちに、イエスは起きて、人里離れた所へ出て行き、そこで祈っておられた。
1:36 シモンとその仲間はイエスの後を追い、
1:37 見つけると、「みんなが捜しています」と言った。
1:38 イエスは言われた。「近くのほかの町や村へ行こう。そこでも、わたしは宣教する。そのためにわたしは出て来たのである。」
1:39 そして、ガリラヤ中の会堂に行き、宣教し、悪霊を追い出された。
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