教会FAQ
キリスト教にはいろいろな教派があるようですがよくわかりません。


 とても大きな質問ですね。ここではどのようにして教派が誕生して行ったかを歴史年表的に説明させていただき、答えとさせていただきます。

 一口に言って教派がたくさんあるのはいろいろな教義上の主張があるためです。この主張はそれぞれに特徴や独自性があり、聖書の翻訳ひとつにしても、神学的解釈や方針の違いから、たとえば日本では日本聖書協会発行の聖書(新共同訳聖書や口語訳聖書など)とは異なる聖書、具体的には日本聖書刊行会による新改訳聖書(英語訳ではNIV--New International Version)を使用している福音系の教会も存在します。勿論、新改訳聖書は正統な聖書であることには間違いはありません。(私事、当サイト管理者の娘婿が牧会する福音系の教会では新改訳聖書を使用しており、管理者も数冊の新改訳聖書を持っています。)
なお、聖書信仰に基づく正統な教会の判別には以下を参考にしてください。

 当サイト−教会FAQ「教会に行ってみたいのですが、どんな教会がいいか迷ってしまいます。」

  当サイト−教会FAQ「日本の教会ではどのような聖書訳を使用しているのですか。」

  さて上記の通り、多種多様な教派が存在するのですが、その源流にさかのぼって、歴史的に説明していくとそれぞれの教会の特徴を理解しやすくなります。いわゆるキリスト教の3大分流(カトリック、東方正教会、プロテスタント)と呼ばれるものです。

  イエスキリストの教えによるキリスト教として出発した古代教会はパウロや先達の献身的な布教により、さまざまな艱難や迫害を乗り越えて、紀元313年、遂にローマ帝国により公認され、392年には国教となりました。これが近代教会の源流です。

  しかし、395年にローマ帝国が東西に分裂し、西はローマ、東はコンスタンティノープルの教会がそれぞれ正統性を主張し、遂には1054年に至り、ローマカトリック教会と東方正教会に分裂(1965年には和解)してしまいました。その後、ローマカトリック教会に対する批判からルターによる「95か条の論題」を嚆矢(こうし)として、プロテスタント(ルター派)が生まれ、1541年にはカルヴァンがジュネーブで宗教改革を唱えました(改革派または長老派)。またその間、1534年にはイギリス国教会がカトリック教会を離脱しました。現在ではイギリス国教会または聖公会と呼ばれ、プロテスタントに分類されています。

 現在ではその源流が西方教会であるプロテスタントは以下のようになります。これらからさらに諸教派が誕生し、さらに、これとは別に独立系の教派や西神戸教会が所属する日本キリスト教団のような合同教会も存在します。

   ルター派
   改革長老派
   再洗礼派(アナバプティスト)
      メノナイト(再洗礼派(アナバプティスト)から分派)
         アーミッシュ(メノナイトから分派)
   クエーカー
   イギリス国教会(聖公会)
      メソジスト(イギリス国教会から分派)
         ホーリネス(メソジストから分派)
         救世軍(メソジストから分派)
      ピューリタン(清教徒)(イギリス国教会から分派)
        --会衆派(組合派)
        --バプティスト

   一方、東方正教会ですがその本拠たるコンスタンティノープルは1453年のオスマン帝国により陥落、以降ギリシャ正教やロシア正教など東欧に勢力を伸ばし、(ブルガリア正教会、セルビア正教会、ルーマニア正教会など)それぞれの教会に総主教が置かれるなど、国別・民族別の形態をとっていくようになりました。また、5世紀には異端とされて東方正教会から分派した分離した単性論派の教会とネストリウス派などの東方諸教会があります(シリア教会、コプト教会、エチオピア教会、アルメニア教会、ネストリウス派教会(景教--けいきょう)など)。

   以上きわめて大まかな説明をさせていただきましたが神学上、教憲・教規その他詳しくお知りになりたい方はキリスト新聞社の「よくわかるキリスト教の教派」徳善義和・今橋 朗著がとても参考になると思いますのでご紹介させていただきます。

(参照文献:「図解 宗教史」 成美堂出版、「よくわかるキリスト教の教派」キリスト新聞社)、「日本の教会を訪ねて」(別冊太陽−平凡社)

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