日本基督教団 西神戸教会月報
2009年3月号

                   
 イエスは振り向いてペトロに言われた。「サタン、引き下がれ。あなたはわたしの邪魔をする者。神のことを思わず、人間の事を思っている。」
  
                             《マタイによる福音書16章21〜28節》 

  いよいよ3月に入り、2008年度の締めくくりの時を迎えています。 "あっ"と言う間の一年間でした。 しかし、振り返ると色々な事があったことに気づかされます。 嬉しいこと・楽しいこともありましたが、悲しいこと・苦しいこともありました。 そんな浮き沈みのある歩みですが、全てが神様と共に過ごせるときにどんな中でも幸いを見出すことができるのです。 与えられていることの中に、私たちの考えの及ばない、はかり知ることの出来ない神様のみ心が働いています。 そのことに気づく時、神様を信じて生きることができる安らぎを得るのです。 神様から与えられているものに無駄なものは何ひとつありません。 どれも大切なかけがえのないものばかりです。 それを素直に謙虚に受け止めることができるなら、生命の輝き・喜びに出会うことでしょう。 神様は、私たちを愛して豊かな恵みで満たしていてくださいます。 神様と人に愛され、愛してゆく命はいつも躍動しています。 それが、この世を生きていく力となっていくのです。 しかし、その輝きを失わせるこの世の多くの働きかけがなされてきます。 この世に生きる時、巧妙に迫り来るサタンの誘惑に勝利してゆくことが大切です。 与えられたものを神様の目的に従い用い、神様の思いに満たされ世の歩みを全うしたいものです。

 イエスは、弟子たちに自らが十字架に架かり復活する歩みを語り始めました。 そんなイエスに対して、弟子の代表的な存在であったペトロは 「主よ、とんでもないことです。 そんなことがあってはなりません。」 と語るのです。 それもイエスをいさめたと記されています。 ペトロは、何を根拠に語り行動したのでしょう。 それはこの世のことです。 自分の価値観・メシア論に立ってイエスをいさめるのです。 イエスをメシアであると信仰告白をしていながら…。 神の子であり、メシアである方が語っているのにそれを否定するとは、どういうことなのでしょうか。 イエスは、そんなべトロに対してはっきりと「サタン、引き下がれ。 あなたはわたしの邪魔をする者。 神のことを思わず、人間の事を思っている。」と語るのです。

 私たちは、イエスを自分たちの理想像に作り上げてはいないでしょうか。 神様に対して、自分たちの願望を押しつけてはいないでしょうか。 そんな時、人はサタンの誘惑に陥ってしまうのです。 サタンに身も心も奪われてしまって、神様のみ心が分からなくなってしまうのです。 私たらにもたらされる全ての事は、神様が共にいて荷を負ってくださることによって、初めて軽くされるのです。
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