日本基督教団 西神戸教会月報
2010年11月号

     ☆天よ、喜び祝え、地よ、喜び踊れ
             海とそこに満ちるものよ、とどろけ
             野とそこにあるものすべてのものよ、喜び勇め
             森の木々よ、共に喜び歌え
 (詩編96編12節)

 
秋の収穫の時を迎えて、私達の周りは神様からの多くの恵みで満たされています。神様は、天地創造の時から今に至るまで地を潤し、すべてが「良し」と思えるようにしてくださっています。しかし残念ながら、そのことに気づかない人間が、その豊かさを乱し、放棄し続けています。人は大地を耕し、種を植え、自然の営みの中で十分なものを与え続けられてきました。ところが世は、それだけでは満ち足りず、他の良いものを求め続けてしまったのです。今、異常気象によって、多くの人や物が犠牲になっています。そして、食べるにも事欠くような状況を作り出しているのです。これは神様が悪いのではなく、必要以上のものを求め続けている人間のもたらした弊害なのです。そんな今を生きる私達に大切なことは、神様の恵みに気づき、感謝して歩み直して行くことなのです。神様は、私達に生きることの素晴らしさを教えてくださり、そのことを感じることができるようにと様々な出会いと交わりとを与えてくださっています。人間にとって大切なことは、贅沢をすることではなく、生きる喜びを知ることなのです。いつかは失われるものを求め続けて、自らや他者を苦しめるような生き方ではなく、皆が笑顔で過ごせることを大切にする方が、豊かな命を生きることになるのです。

 
聖書は、私達が当たり前と思って日々を過ごしている中で、神様が沢山の愛を注いでいてくださっていることを伝えてくれます。神様は雨で大地を潤し、地に実りをもたらし続けてくださっています。私達の力だけではどうすることもできない実りを、神様は豊かに与えていてくださるのです。そのことに気づき、感謝し、神様の思いを受け取り、歩み行くときに、その豊かさによって養われていくのです。しかし、私達が神様の思いから離れて歩んでしまうと、それを得ることができなくなってしまうのです。それは、当たり前のことです。なぜなら神様の思いによって動いているものを人間の意志で動かそうとしても無理だからです。人は、神様に代わることはできません。その大切な事を忘れてしまって、好き勝手に思うがままに過ごしてきた人間が今苦しんでいるのです。自然の驚異にさらされて、何もできないことを思い知らされているのです。今大切なことは何でしょう。それは、神様の意志にかなう歩みをすることなのです。それは、神様を愛し、隣人を愛することです。今、満たされているならば、満たされていない人々に分かち合うことです。人はそうして、共に生きるものとされるのです。災害が起こり、困っている人々に思いを寄せ、私達の恵みを分かち合うのです。そのために私達は、恵みを受けているのです。神様に感謝することは、次に繋がる歩みへと押し出されて行く力となるのです。動き出すべき事を知らされるのです。 
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