日本基督教団 西神戸教会月報
2013年1月号
☆イエスは、「わたしについて来なさい。人間をとる漁師にしよう。」と言われた。 二人はすぐに網を捨てて従った。 《マタイによる福音書4章19・20節》 ☆この二人もすぐに、舟と父親とを残してイエスに従った。 《マタイによるネ福音書4章22節》 2013年を迎えました。新しい年を迎える度に、「今年こそは…」と目標を掲げる方もいることでしょう。年が新しくなるからといっても、時の流れの中にあっては、何かが急に変わるものではないのですが、気持ちを切り替えるには、大切な区切りなのではないでしょうか。神様から与えられた皆さんの2012年の歩みは、どんな1年だったでしょうか。それぞれが、神様から命を与えられて、その責任を果たし、より豊かな時を過ごされたことでしょう。与えられた月日や様々な出会いは、きっと全ての方々にとって、有意義なものであったに違いありません。私たちにもたらされる全てのことの中で、神様を見い出すことのできる時、私たちは喜びと感謝を知るのです。ところが、自分のことで精一杯になり、自分中心の思いと願いに縛られてしまうと、神様の思いに寄り添えず、神様の愛と恵みを見い出し損ねてしまうのです。 ここで与えられている聖書は、イエスが神様の働きをするために必要な弟子を選ぶ場面です。イエスは、人々の日常に欠かせない仕事をしている人々をまず選び出しています。イエスが岸辺を歩いている時に、目にとまった漁師4人が弟子とされます。彼らには選ばれるにふさわしい理由が、特にあったわけではありません。イエスは、彼らの日常生活のただ中に語りかけられました。しかも、それはそれぞれが生きて行くための、肉の糧を得るためにしてきた漁師という仕事の最中でした。まず最初に出会った2人対して、その仕事中にイエスは、「わたしについて来なさい。人間をとる漁師にしよう。」と言われました。そんなことを言われても、簡単には動けない状態です。しかし、何と驚くべきことに、彼らは、「すぐに網を捨てて従った。」のです。つまり、今までの生活基盤を捨てて、イエスに従ったのです。そんなに簡単に出来ることではありません。にもかかわらず、それは、2人だけに留まらず、次に出会った2人の漁師も「この二人もすぐに、舟と父親とを残してイエスに従った。」のです。この行動力にこそ、選ばれて、用いられる大切な要素であったのかも知れません。 尻込みせずに、イエスの言葉を信じて、歩み出して行くことで、歩むべき道が開かれていくのです。何か特別にできるとか、良いものを持っているとかではなく、神様を信じ、イエス様の言葉を信じて、歩み出せるかどうかが大切なのです。歩み出す者には、必要な知恵やカや助けが与えられて来るのです。自らの欠けや弱さや貧しさを知っているからこそ、気づくことのできる神様の恵みと愛の世界があり、感謝と喜びに満たされて、希望を抱きつつ歩む道が備えられるのです。 新しい1年が、全ての方々にとって、より良き時となることを心より祈ります。阪神淡路大震災・東日本大震災等、思いもよらない自然の脅威にさらされながらも、今、私たちは生かされています。その命の営みを大切にして日々歩みましょう。 |
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