日本基督教団 西神戸教会月報
2013年06月号

☆あなたが祭壇に供え物を献げようとし、兄弟が自分に反感を持っているのをそこで思い出したなら、その供え物を祭壇の前に置き、まず行って兄弟と仲直りをし、それから帰って来て、供え物を献げなさい。《マタイによる福音書5章23〜24節》

6月に入り、梅雨の時季を迎えています。しかし、思うように雨が降らず、農作物に大きな影響が及んでいます。本来雨の降るべき時に降ってくれないと、全ての歯車が狂ってきてしまいます。私たち人間が、当たり前と思ってきた四季(季節)の移り変わりが、大きな変化を見せています。それは、人間が自分たちのことばかり考えて、自然の豊かさに目を向けず、その営みを願みずに歩んできた結果が、現れているに過ぎません。私たちは、自分たちの事しか考えられずに、大気汚染や環境問題等を引き起こし、自然の営みや季節の移り変わりを壊してしまったのです。

今、幼稚園でも子どもの教会でも、サツマイモの苗を植えて、サツマイモの成長を見守っています。芋の苗が根付く為には、梅雨の雨が必要なのです。ですが、残念ながら、今年はあまり雨に恵まれませんので、枯れないように、人が水やりをしていかなくてはならなくなっています。夏野菜も同じです。いつもと同じようにしていてもうまく育たないのです。最近は、天候や様々な状況を見て、育てていかないとだめなのです。収穫を得ることは、簡単ではないことを思い知らされます。神様は天地を創造された時に「見よ、それは極めて良かった。」と語られました。しかし、その世を人は、見事に破壊してしまったのです。そのことに気づき、暑さや寒さや、過ごしにくさを呟くのではなく、私たち自身の自分本位の生き方を悔い改めなくてはならないのです。今の梅雨もそうですが、これから訪れるであろう台風やゲリラ豪雨や雷雨にも気を配って過ごさないと様々な災害が生じてくるのです。人の思いや知恵や知識や常識を越えた世界がやってきているのです。そんな世界をもたらしてしまった私たちは、神様に立ち返り、神様によって与えられる恵みに感謝しながら、許しと回復を祈り求めていくしかないのです。

 神様への供え物に関して、イエスは「供え物を祭壇の前に置き、まず行って兄弟と仲直りをし、それから帰って来て、供え物を献げなさい。」と語っています。私たちに求められていることは、神様の御心に適った歩みをなしているかどうかなのです。いくら供え物を用意していても、心と行いの伴わない物を神様は喜ばれないのです。形式的に行われても、それは意味を持ちません。それゆえ、どうせ供え物をするのであるならば、それにふさわしい供え方をするようにと、仲直りを進めているのです。私たちの教会生活や信仰生活は、どうでしょうか。神様の御心に添ったものとなっているでしょうか。神様に、私たちのごまかしは効きません。神様は全てご存じであり、私たちの有り様が、神様によって全て、世において明らかにされていくのです。私たちが、どんな人間であり、どんな歩みをしているのかは、周りにいる人々を見ていると明らかになってくるのです。豊かな交わりの中に生きている人は、神様からの喜びに満たされています。私たちに与えられるもの(物・者)を、神様の恵みとして受け止めることのできる豊かさを教えられます。神様から与えられている様々なものとの出会いを感謝し、日々豊かなの輝きへ導かれれば幸いです。
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