日本基督教団 西神戸教会月報
2015年12月号
☆初めての子を産み、布にくるんで飼い葉桶に寝かせた。宿屋には彼らの泊まる場所がなかったからである。 (ルカによる福音書2章7節) ☆あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである。(ルカによる福音書2章12節) ☆「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ。」 (ルカによる福音書2章14節) 2015年のクリスマスを迎えました。人はそれぞれ、様々な環境の中で、イエス様の誕生を喜び、感謝し、祝う時が与えられています。神様の独り子の誕生をすべてのが喜び、祝えるために、イエスは馬小屋の飼い葉桶の中に寝かされました。その出事を天使は、羊飼いたちに「わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。」と告げています。旅の途中に泊まる所、泊めてくれる所がなく、初めての子を家畜小屋の中で「布にくるんで飼い葉桶に寝かせ」なくてはならなかったお母さんは、その時、どんな気持ちだったのでしょうか。月が満ちて与えられた場所が、家畜小屋だったのです。しかし、そこには、神様の大切な思いと計画がありました。そのことは、お祝いに来てくれた人を見たら分かります。神様からの嬉しい知らせを聞いて、まずお祝いに来てくれた人は、羊飼いでした。その姿を見て、彼らの話を聞いて、神様の語られたとおりのことが起こったことが分かります。その内容は、ダビデの町で救い主が生まれたことであり、そのしるしとして与えられたのは「布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている飲み子」であったことです。幼子を探し当てた羊飼いたちは、その光景を見て、天使が話してくれたことを人々に知らせたのです。それが、クリスマスの出来事です。 神様は、大切な独り子を救い主として、世に遣わされました。この世の歩みで、苦しみや悲しみを負うている人々のただ中に来てくださいました。すべての人への喜びとなるために家畜小屋の中で生まれたのです。どんな場所で生まれたとしても、そこにある命の輝きは、多くの人に喜びを与えるのです。人は、その命の貴さをどれくらい分かっているのでしょうか。たとえ、その命の営みが、ほんの一瞬であったとしても、世に与えられた喜びは何にも変えられないものです。すべての命が、輝きを放っています。与えられた命に出会い、愛し、共に過ごすことで、喜びがもたらされるのです。神様は、人が独りでいることは良くないので、ふさわしい助ける人との出会いと交わりを大切に与えてくださっています。その神様のみ心を受け取る人は、他の命の営みと出会う時、愛と優しさと温かさと明るさを得ることが出来ます。しかし、残念ながら、その思いを受け取れずに良き出会いの機会を失うことで、憎しみと孤独と闇の世界をさまよってしまうのです。 今、世界では、テロや戦争で多くの尊い命が失われています。人が大切な他者の命を奪い続けているのです。様々な理由で土地を奪われ、生活困難な中を歩まざるえない人々が、世界にも日本にもいるのです。そんな悲しい現実の中でも、クリスマスはやってきます。いや、そんな中にあるゆえに、クリスマスは意味あるものとしてやってくるのです。だからこそ温かさと優しさに包まれたクリスマスを過ごしましょう。 |
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