日本基督教団 西神戸教会月報
2016年12月号

☆イエス・キリストの誕生の次第は次のようであった。母マリアはヨセフと婚約していたが、二人が一緒になる前に、聖霊によって身ごもっていることが明らかになった。夫ヨセフは正しい人であったので、マリアのことを表ざたにするのを望まず、ひそかに縁を切ろうと決心した。(マタイによる福音書1章18~19節)

☆「見よ、おとめが身ごもって男の子を産む。その名はインマヌエルと呼ばれる。」その名は、「神は我々と共におられる」という意味である。ヨセフは眠りから覚めると、主の天使が命じたとおり、妻を迎え入れ、男の子が生まれるまでマリアと関係することはなかった。そして、その子をイエスと名付けた。(23~25節)

 いよいよクリスマスがやって来ます。神様の愛と恵みの現れに心から感謝し、喜びに満たされて過ごしましょう。神様は、暗き冷たい闇のただ中に、明るく暖かい光として、家畜小屋の飼い葉桶に乳飲み子のイエスを寝かされました。神様の愛に満ちた苦悩が分かります。今わたしたちは、その出来事をしっかりと受け止めているでしょうか。皆さんにとって、クリスマスはどんな日、どんな時となっていますか。本当のクリスマスの出来事、その現実が伝わっていることを祈ります。その誕生をルカによる福音書では「彼らがベツレヘムにいるうちに、マリアは月が満ちて、初めての子を産み、布にくるんで飼い葉桶に寝かせた。宿屋には彼らの泊まる場所がなかったからである。」(2:6~7)と伝えています。泊まる場所がなく、困り果てている出産間近の夫婦を見ても、彼らを泊めてくれる人がいなかったのです。だから、家畜小屋で一夜を過ごしました。さらには、出産後、生まれたばかりの赤ちゃんを寝かせる場所がないため、布にくるんで飼い葉桶に寝かせました。しかし、母マリヤと父ヨセブにとって、この誕生は、何にも勝る喜びでした。どんなところで、どのように生まれたとしても、大切な命が与えられたのですから。しかも、神様から託された大切な役割を果たすこともできたのです。二人は、聖霊によって身ごもり出産に至るまで、多くの困難を強いられました。しかし、神様の言葉を信じ、さらには「神は我々と共におられる」事を信じて歩み、喜びに満たされました。何と素晴らしい出来事でしょう。

 誰にも知られることのない誕生ではありましたが、神様からの知らせを受けて、そこに羊飼いたちがお祝いに来てくれました。そして、遠くの国からはわざわざ、占星術の学者たちが大切な宝物を携えてお祝いに来てくれました。その喜びが、今もなお伝えられ続けています。わたしたちは、その当時の羊飼いや博士たちと同じ喜びを成し得ているでしょうか。神様が大切な独り子イエスを、わたしたちのために与えてくださったことに心より感謝し、わたしたちの大切な宝物を携えて礼拝に集っているでしょうか。アドベントの今の時は、ただ単に過去のイエス様の誕生をお祝いするものだけでなく、再び来られる主に備える時でもあるのです。再び来られる時にわたしたちは言い逃れは出来ません。来る年、来る年、分からず屋の人間のために悔い改めの時、備えの時を与えてくださっていることに感謝し、主がいつ来られても良いように日々の歩みを行いたいものです。今年もわたしたちがクリスマスを喜び迎えようとする今、日本各地において、世界各国、各地域において、悲しみ、苦しみ、痛みの中で歩んでいる人がいます。その現実を忘れる事なく、世の平和を祈り過ごしましょう。
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