日本基督教団 西神戸教会月報
2001年 1月号
「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい。」 (ローマの信徒への手紙 12章15節) 聖書は、クリスマスの喜びと同時に、多くの母親の悲しみを告げています。(マタイ2章16〜18節)当時の権力者なるヘロデ王は、イエスが誕生したことを聞き、自己保身の為にベツレヘム周辺の2歳以下の男の子を皆殺しにしました。これが現実です。人に救いをもたらし、愛の業としてイエスの誕生があったにもかかわらず、一方では多くの悲しみをもたらしてしまいました。ある意味で、私たちの喜びは、悲しみの上に築かれているとも言えるかも知れません。神は、私たちを愛してくださいました。それは、無傷のものでなく、馬小屋での誕生や十字架上の死を含め、多くの嘆き、悲しみ、苦しみ、痛みが伴なっているのです。それほどまで愛されている私たちは、神の愛と恵みに気づき、神に応え、多くの悲しみを無駄にしない歩みをなすことが大切ではないでしょうか。 私たちは、2001年という新しい年と合わせ、新たなる時代の21世紀を迎えました。今、歴史のただ中を神様に生かされているのです。20世紀の出来事を大切にしつつ、新たな一歩を踏み出しましょう。私たちの住む神戸は、1995年1月17日に大きな地震に遇い、6432人(内、子ども514人)の生命を失いました。その出来事を”復興”という言葉で風化させてしまってはいけないのです。”今”、私たちが命ある者として、失われた命の重さを受け止め、かけがえのない命の尊さを知り、生かされている責任を負うて歩んでゆけるようにと祈ります。 『 こわれた建物や道路はある程度修理したり、新しく立て直したりする事ができます。 けれども、亡くなった命は造り替えることはできません。生きている私たちが、亡くなった方々の思いを受け止めて、かわりにしっかり生きる責任を負っているのです。 私たちは、亡くなった人々、特にたくさんの可能性を持ちつつ短い命を終えた子どもたちのことを覚え続けたいと願っています。この子どもたちのことを記憶し続けることを通して、私たちにも生きる勇気と力が与えられるのです。』 (2001.1.15 大震災子ども追悼コンサート.パンフレットより) |
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